こんにちは、ヒーラーのSarahです。
今回もカーラチャクラタントラ④、内的世界の捉え方についてです。
カーラチャクラタントラとは・・・・時間の輪のタントラ
3つの時輪についてを説くもの。
外の時輪、
内の時輪、
そしてもうひとつの時輪の3つである。
外の時輪は、人間の外側にあるもの、環境、須弥山、虚空、時間のある宇宙
内の時輪とは、内なるマンダラ、人間のことである。
そして、内なる人間の構造、内的周期性は、外の時輪に正確に対応している。
マンダラとしての人間を紐解くと・・・・
人間マンダラの楼閣は、身、語、心のレベルからできており、最後の心のレベルはさらに2つに分かれる。
《身》
五蘊とは
- 色(形あるものすべて)、
- 受(倶舎論では、内なる心が外界と接触してそこに楽、苦、不苦不楽を受け入れること)、
- 想(対象のあり方を心の中に把握すること)、
- 行(意識、意志の作用)、
- 識(認識)
カーラチャクラでは、これに第6の智(深層の意識)が加わる。
さらに5つの元素である、
- 虚空、
- 風、
- 火、
- 水、
- 地は人間の構成要素である。カーラチャクラには第6の元素・大楽(深層意識)が加わる。
五蘊も五元素も《身》のレベルに属する。
五蘊も五元素も身体の中心軸にある各チャクラに対応しており、垂直に並べることができる。
《語》
人体の中には、72000の目に見えない脈管が走っており、エネルギーが流れている。
エネルギーの脈管は、《語》のレベルにおける最も重要な構成要素。
3つの主要な脈管は、背骨の左右にある2つと、背骨のわずか前方にある中心の脈管。
中心の脈管は生殖器から体の中心を通り頭頂に至る。そこで少し前に曲がり、両目の間で終わる。
左の白い脈管は、左の鼻孔から、中央の脈管の終わりよりも指の幅1つ分下までのびている。
右の赤い脈管は右の鼻孔から身体の中を同様に折りていく。
左の脈管は月と、右は太陽と結びついている。
6つのチャクラは中心のナーディに沿った特定の場所に配されている。
下から生殖器、へそ、心臓、喉、額、頭頂。その中心の力は蓮華の形をとる。その花弁の数は、それぞれのチャクラに基づいた脈管のエネルギーに基づく。
それぞれのチャクラの高さで、左の気息の脈管は中央の脈管を右回りに、右の脈管は左回りに巡る。
カーラチャクラの伝統では、これが中央の脈管の気息(エネルギー、気、プラーナのこと)の流れをかなり妨げたげている。
3つの脈管はマンダラの形をとり、へそで上と下に分かれる
この主要な脈管という構造により、タントラ仏教では人間の身体がマンダラとして捉えられるということが明確になる。
同時に、カーラチャクラマンダラを理解する手がかりも与えてくれる。
マンダラでは赤い色の尊格は常に白い尊格と対となり、黒い尊格は黄色い尊格と、緑の尊格は青い尊格と対となる。
脈管の中を流れるエネルギー(プラーナ・気)は、意識の構成要素の乗り物、運搬者として機能し、あらゆる精神的かつ身体的な動きを可能にする。
下向きのプラーナの流れは、白と赤の菩提心(男性と女性の「滴」)の動きと、尿と便をコントロールする。
火を伴ったプラーナは、栄養物を不要なものから分離させ、内的な火に点火する。
生命を保つ気息は、鼻などの吸気と呼気の流れを維持する。
タントラ仏教では、気息は輪廻再生の要因とみなされるが、同時に悟りの種子をも含んでいる。
マンダラ儀礼のヨーガでは、気息の重要性を理解し、それを浄化し、積極的な意味でそれを利用する、すなわち悟りを獲得することが、極めて重要視されるのはそのためである。
カーラチャクラのシステムでは、人間には10の主要な気息があり、それらが元素や方向と結びつくことで、理想的には人体の中でマンダラを形成するのである。
10の気息をそれぞれの方角に従って配すると、簡単なマンダラができる。
これはカーラチャクラマンダラの中心にある、最も高位の部分に相当する。
月が満ちて次第に長くなる日々と、逆にかけていく日々があるように、タントラ仏教の考え方では、一日の間にも呼吸の相対的な変化が存在する。
一日に前半は呼吸は右の鼻孔を優先的に通り、後半は左の鼻孔を通る。
同じように、ある時は呼吸は太陽に結びついている右の脈管を主として通り、ある時には月の左の脈管を通る。
気息は内的なプロセスと同様、外的なプロセスも規定する。
外的な気息が集合的な業/カルマによって展開するのに対し、内的な気息は個人的なカルマによって展開する。
《心》
タントラ仏教では、身と語の領域と並んで、人間は心の構成要素を明らかに有している。
それは、6種の器官(感覚)、6種の認識対象、6種の活動の器官と、6種の活動(行為)である。
これらは第5灌頂や第6灌頂においてそれぞれに与えられるシンボルに基づき、マンダラの形に配することができる。
カーラチャクラタントラでは、人間の生存の4つの状態が規定されている。
覚醒、夢、深い眠り、性の歓喜、の各状態で、
人間のエネルギー(気息)は、いわゆる滴となって、特定の場所、すなわちチャクラに集められる。
- 覚醒の状態では、5種の感覚器官の対象が姿をあらわし、上半身のエネルギーの気流は、滴の形で眉間のチャクラに集められる。(下半身の気息はへそのチャクラに集められる)
- 夢の状態は、音素、語、言葉などを生起させる。この状態の滴が「語の滴」あるいは「夢の滴」と呼ばれる。上半身の気息は喉のチャクラに集めれられる。
- 深い眠りの状態では、意識がそこで展開する「心の滴」や「深い眠りの滴」となって、上の気息が心臓のチャクラに集められる。
- 最後の性的な歓喜の状態では、気息は下から2番のチャクラであるへそのチャクラへと流れ込んでいく。これは「深い意識の滴」。
不浄なものを含むチャクラに気息が集められると、身、語、心、歓喜の各レベルで汚れた外見を示すことになる。(汚れた物質、汚れた音声、汚れた心、汚れた性的興奮の歓喜)
瞑想するものは、これらの汚れを浄化し、空なる形態、空なる音声、清浄な心、普遍の大楽を創り出さなければならない。
これによって最終的に、「生起次第」において、清浄なる堅固な仏陀の身体、語、心、楽が達成される。
不浄なものや不完全なものを内包しながらも、同時に悟りの核となるものも、滴は備えているのだ。
以上、『図解 曼荼羅大全』マルディン・ブラウン著より
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