体液/ルン[風]、ティーパ[胆汁]、ペーケン[粘液]

さて、3つの体液について詳しく見ていきましょう!

3つの体液にはそれぞれ5つの種類があります

ルン(風)/5つのルンそれぞれの位置、機能する場所と働き

  • 「生命を司るルン」・・・頭頂部に位置し、そこから胸に流れる
    • 機能は、食物の嚥下、呼気、唾液の分泌、ゲップ、くしゃみをする。また、心と五感を澄み渡らぜて、心に身体という基盤を与えることによって、生命を司っている
  • 「上昇するルン」・・・胸部に位置し、主に鼻、舌、喉部周囲を流れ、それらの部位で機能する
    • このルンは話すことを可能にし、体力や肌の色を与え、やる気を起こさせ、活動を刺激する。記憶力や注意力を研ぎ澄ます。
  • 「遍在するルン」・・・基本的に心臓部に位置するが、身体にあまねく存在してもいる
    • 身体の四肢の屈伸、口や目といった穴部の開閉を司る。それゆえ筋肉の動きは「遍在するルン」によってコントロールされている
  • 「火を伴うルン」・・・胃の下部に位置し、腸、胆嚢といった五臓六腑を循環する
    • 消化を助け、摂取した食物を精髄の部分と不純な部分に分離していき、7つの身体の構成要素を作り、新陳代謝を司る。その結果として、血液や胆汁などのそれぞれの色を決定づける

***胃は3つの部分に分けられ、上部には「分解作用のペーケン」が、中間部には「消化作用のティーパ」が、下部には「火を伴うルン」が位置する。「火を伴う」のも、消化の過程が火を連想させるからです。

  • 「下降し排泄するルン」は、生殖器のあたりに位置し、大腸、膀胱、生殖器などの下半身を巡っている
    • 精液、月経、大小便などの排泄コントロールをする。胎児を子宮ではぐくみ、出産の際、胎児を子宮から押し出すのも、このルンの役割

***サルマ派(新訳派)では、「生命を司るルン」は心臓部に、「遍在するルン」は頭頂部にあるとされる。場所は違っても同じ機能となる。

*ルンは息そのものではないが、息の特徴を多く持っている。

ルンの性質は「粗い」「軽い」「微細」「堅い」「揺らぎやすい」です。

「粗い」とは滑らかではないという意味で、「微細」とはどんな場所にも動いていける性質という意味

ルンは神経のインパルスをコントロールしている。

血液循環をコントロールするのは「遍在するルン」と「火を伴うルン」で、「火を伴うルン」は脈管(ツァ)や血管のような中が空洞の気管を通って移動する

五大元素について

ルンは5大元素のひとつであり、この宇宙は「地」「水」「火」「風」「空」の5大元素で成り立っていおり、生きものの身体も5大元素で成り立っている。

血液とティーパは火の性質で、ペーケンは地と水の性質を持っており、それらを動かすのがルンの役割

地・・基盤

水・・・物質同士がくっつく

火(熱や暖かみ)・・物質が成熟する

風・・・成長や増加

空・・・成長に必要な空間や機会が与えられる

五大元素と味の関係

例)ニンジンは五大元素によって生み出されている。地の元素(硬さ)が基盤を提供し、風=空気がニンジンの成長を可能にする。火の元素がニンジンを成熟させ、空の元素が成長するチャンスを与えます。ニンジンは地と水の元素が優勢であるため、甘い味がします。そのためニンジンを消化すると、身体中の力が増すのです。

優勢な元素→味
地+水→甘い
地+火→すっぱい
水+火→塩からい
水+風→苦い
火+風→辛い
地+風→渋い

3体液の性質と5大元素との関係

3体液性質五大元素熱・寒
ルン(風)粗い、軽い、冷たい、微細、堅い、揺らぎやすいどちらともいえない
ティーパ(胆汁)脂っこい、鋭い、熱い、軽い、悪臭を放つ、泄瀉/せつしゃする(下剤作用)、湿り気がある
ペーケン(粘液)脂っこい、きわめて冷たい、重い、鈍い、滑らか、安定している、ねばねばしている、地と水

ティーパ(胆汁)/5つのティーパそれぞれの位置、機能する場所と働き

ティーパは火の本質を持っている

  • 「消化作用のティーパ」・・・胃の中間部、つまりまだ消化されていない食物と、すでに消化されてしまった食物の中間に位置している。
    • 火の元素と同じく食物を成熟させ(消化し)、食物中の精髄成分と不純物を分離し、熱を生み出し、他の4つのティーパを刺激、助成し、体力を生み出す
  • 「色艶を与えるティーパ」・・・主に肝臓に位置するが、作用は全身に及ぶ
    • このティーパは身体の7つの構成要素(タンマ・血液・筋肉・脂肪・骨・骨髄・クワ)の色を定める。つまり血を赤く、骨を白く、胆汁を黄色く、爪の色艶を良くする
  • 「決断のティーパ」・・・心臓部に位置する
    • なにか行動を起こしたり自分の欲望をみたそうとする際に、自身や決断をもたらします。しかし半面、慢心のような過度の自己主張も起こします。
  • 「視覚を司るティーパ」・・・目に位置し見ることを可能にする
  • 「顔色を良くするティーパ」・・・皮膚に位置し、肌の色を定め、顔の色艶を良くします。

ティーパは基本的に火の性質を持っており、「脂っこい」「鋭い」「熱い」「軽い」「悪臭を放つ」「泄瀉(せつしゃ)する/下剤作用」「湿り気がある」という性質がある

ペーケン(粘膜)/5つのペーケンそれぞれの位置、機能する場所と働き

  • 「基盤のペーケン」・・・頬骨のあたりに位置する
    • 全身に湿り気を与える。口の中の唾液を出す、身体の各部分を結合させる、他の4つのペーケンの基盤をなすのもこの基盤のペーケン
  • 「分解作用のぺーケン」・・・未消化の食物が最初に入る胃の上部に位置する
    • 未消化の食物を混ぜ合わせ、分解する
  • 「味を感受するペーケン」・・・舌に位置し、甘い、すっぱい、苦い、塩からい、カラ、渋いという6つの味の弁別を司る
  • 「充足のペーケン」・・・脳に位置し、充足をもたらす
    • 目がある対象を捉えるのも、耳が音を聞くのも、充足をもたらすこの機能があるから。また、味が甘いかすっぱいか、良い匂いか悪い匂いか、心地よい音か耳障りな音か、良い形か悪い形かを見分ける役割がある
    • 「結合のペーケン」・・・大小の関節に位置し、関節をつなぎ、屈伸を可能にする

ペーケンは「脂っこい」「きわめて冷たい」「重い」「鈍い」「滑らか」「安定している」「ねばねばしている」という性質を持っている。

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