健康な身体/不健康な身体と、3つの体液・ルン、ティーパ、ペーケン

身体のしくみ①健康な身体と不健康な身体の3つの体液

チベット医学の基礎医典には3つの樹木のイラストがある

最初に学ぶイラストがこちら「身体の根」

「健康な身体」と「不健康な身体」の2つの幹がある

健康な身体・3本の枝

健康な身体の3つの枝

「体液」

「身体の構成要素」

「排泄物」

体液

  • 「健康な身体」の幹からは「ルン(風)」「ティーパ(胆汁)」「ペーケン(粘液)」の3つの枝が生えている
  • 健康な身体では、ルン、ティーパ、ペーケンの3体液のバランスが取れており、病の原因になることはない
  • 3体液のバランスが取れると、健康が促進され維持される
  • バランスが崩れると、病の原因となる

5つのルン・・・ルンの枝から生えた5つの葉

  • 「生命を司るルン」
  • 「上昇するルン」
  • 偏在するルン
  • 火を伴うルン
  • 下降し排泄するルン

5つのティーパ・・・5つの葉っぱ

  • 消化作用のティーパ
  • 色艶を与えるティーパ
  • 決断のティーパ
  • 視覚を司るティーパ
  • 顔色を良くするティーパ

5つのペーケン・・・ペーケンの枝から生えた5つの葉

  • 基盤のペーケン
  • 分解作用のぺーケン
  • 味を感受するペーケン
  • 充足のぺーケン
  • 結合のぺーケン

どんな生きものも「無明」に冒されているため、根本的には病んでいるが、15の体液のバランスが取れている間は病は現れない。

バランスが崩れ、体液のどれかが増加したり、減少したりすると、病が現れてくる。

15の体液はこれから詳しく見てきますが、「決断のティーパ」とか「充足のペーケン」など、一見健康とは関係ないような・・意識、心理作用のようなものも体液に含まれるのが面白いです。

ここまで見ても、基本生きものは病を抱えている(無明がゆえに)、今健康なのは本当にたまたま発現していないだけというのが説得力をおびてきます。

身体の構成要素

健康な身体の2つ目の枝には7つの葉が生えている

  • 「タンマ」(摂取した食物の精髄部分、滋養分)
  • 「血液」
  • 「筋肉」
  • 「脂肪」
  • 「骨」
  • 「骨髄」
  • 「クワ」(精液・月経)

順番に見ていくと・・・

  1. 摂取した食べ物は、精髄部分(滋養分)と不純部分(老廃物)に分離され、この精髄部分を「タンマ」という
  2. 滋養分が肝臓に入ると血液に変わる
  3. 血液は筋肉を生み出す
  4. 筋肉は骨を生み出す
  5. 骨は骨髄を生産
  6. 骨髄はクワ(精液・月経)を生み出す

食物が完全に消化されるには、この精髄部分と不純部分の分離が幾度も行われる

この身体の構成要素も後々もっと詳しくやっていきます♬

結構面白いです★

排泄物

健康な身体の3番めの枝

「大便」「小便」「汗」

不健康な身体・9本の枝

身体の根から伸びているもう一つの幹は「不健康な身体」です。

不健康な身体からは以下の9つの枝が生えています。

  1. 「主因」
  2. 「補助因」
  3. 「侵入口」
  4. 「部位」
  5. 「経路」
  6. 「年齢・地域・時あるいは発生の時期」
  7. 「致命的な果」
  8. 「副作用」
  9. 「まとめ」

主因

主因の枝からは、「貪り」「怒り」「無知」という3つの葉が生えている

「貪り」はルン病を生み出す

「怒り」はティーパ病を生み出す

「無知」からはペーケン病が生まれる

一切の生きものは幸せを望んでいるにもかかわらず、幸福の因も不幸の因が何によるのかを知らない。

幸福のために膨大な努力をしても、目的とは逆の結果を引き起こすこともまれではなく、さらなる痛みと苦しみを招く。

また、貪り、怒り、無明に冒された過去世のカルマが、今世の私たちに潜在勢力(熏習)を残していることがある。

病の原因が、過去世のカルマ(行為)が心の中に残した潜在勢力(熏習)のこともある。

この過去のカルマの根は、貪り、怒り、無知の三毒

つまり一切の病の根は、貪り、怒り、無知という煩悩

「貪り」がルン病を生み出すメカニズムは・・・・

人は無知の影響下にあり、貪りの心によって、あれがほしい、これがどうしても必要だと思う。しかし、欲望がすべて実現することはない・・・努力しても手に入らないものが出てくる・・・手に入らないために心が乱れる・・・心が乱れるとすべてのルンが乱れる

「怒り」がティーパ病を生み出すメカニズム・・・・

慢心、つまり自惚れの心によって、自己主張が強くなる・・・・それに伴って血液とティーパも増加する。怒りは加熱しやすい性質だが、怒りにもとづく行為によって、同じく熱の性質を持つティーパの病が引き起こされる

「無知」からペーケン病が生まれるメカニズム・・・

無知とは、自分の欠点や、やって善いこと悪いことの区別がつかないこと。無知によって私達はさまざまな不適切な行動をとるようになる。無知(あるいは心が暗く沈み込んだ状態)は同じく重たい性質のペーケン病を引き起こす(重たい性質のペーケンが乱れる)

貪りがルン病、怒りがティーパ病、無知がペーケン病を引き起こす・・とだけ聞いても???

なんだかよく分かりませんでしたが、その具体的なメカニズムが明らかになると、すごく納得できます。

心が乱れるとルンも乱れる

怒りが熱の性質をもつティーパも乱す

無知(心が暗く沈み込んだ状態)が同じ性質のペーケンを乱す

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