身体のしくみ②不健康な身体のつづき
不健康な身体の主因は3つの体液ルン、ティーパ、ペーケンの乱れ
貪りがルンを増やしルン病に
怒りがティーパを乱れさせてティーパ病に
無知がペーケンを乱れさせてペーケン病に
ここでは、不健康な身体、主因以外を見ていきましょう。
4つの補助因(縁)
- 時・・・・主因のルン、ティーパ、ペーケンが病となる季節・・その季節にふさわしい食生活や生活態度によって病が生じる。『四部医典』には季節ごとの食生活や生活態度、薬の摂取について詳しく述べられている
- 鬼神・・・・3体液に突然影響を与えて、乱れ=病という形で現れるが、鬼神は目に見えないため、この種の病は診断が困難
- 不適切な食生活・・・・身体の欲する食生活を無視して、不適切な食生活を続ければ病を引き起こす補助因となる
- 不適切な生活態度・・・・真夏に毛皮を着ているなど・・・病を引き起こす補助員となる
2の「鬼神」・・たまに登場します。鬼神が原因の病は、この基本書では施しようがなく、お祓いなどが必要になるという記述に終止されます。
平たく言えば、呪術的な影響、もっと平たく言えばサイキックアタックなどもこれにあたるのでしょう。たしかにそうなると、医学の範疇を超えているように思いますね。
6つの侵入口
侵入口とは補助因によって主因が活性化された後に、病が身体組織に入り込んでくる入り口のこと
- 病はまず「皮膚に広がる」
- 次に「筋肉で増長する」
- さらに体内の「脈管(血管あるいはルンの経路)を経由する」
- 「骨に付着する」
- 「五臓に降りる」*五臓・・心臓、肝臓、肺臓、脾臓、腎臓。
- 「六腑に流入する」*六腑・・・大腸、小腸、胆嚢、胃、膀胱、精嚢(身体を作り出す種子。白い要素/精液と赤い要素/月経を放ち、体力を増加させる機能を持つとされる)
補助因によって3体液が乱れると、この6つの過程を経て病が侵入していくが、すべての病が同じ過程をたどるのではない
3つの部位
- ペーケンは身体の上部(頭部)に位置する
- ティーパは身体の中間(上腹部)に位置する
- ルンは身体の下部(腰部)に位置する
病が進行する15の経路
3つの体液の病は、5種類の経路・・・7つの身体の構成要素、5官、3つの排泄物、五臓、六腑を伝わって進行する
- ルン病の進行する主な経路
- 7つの身体の構成要素の「骨」
- 五官の「耳」
- 排泄物の中の「触覚の門である汗孔」
- 五臓の「心臓・命の脈管」
- 六腑の「大腸」
- ティーパ病が進行する主な経路
- 身体の7つの構成要素の「血液」
- 排泄物の「汗」
- 五官の「目」
- 五臓の「肝臓」
- 六腑の「小腸」と「胆嚢」
- ペーケン病が進行する主な経路
- 身体の7つの構成要素の「タンマ(滋養分)」「筋肉」「脂肪」「骨髄」「クワ(精液・月経)」
- 排泄物の中の「大小便」
- 五官の中の「鼻」と「舌」
- 五臓の中の「肺」「脾臓」「腎臓」
- 六腑の中の「胃」「膀胱」
侵入口は3体液が乱れた後で病が入ってくるところ、
そして病となって、ルン病、ティーパ病、ペーケン病がそれぞれ位置する場所、
それからそれぞれの病が進行する場所・経路
年齢・地域・時あるいは発生の時期
病が経路を通って発生し、徐々に表に現れていく時期を示している
9つあり、それぞれの体液の乱れを促進する自然の要因を表している
- 最初の3つ・・・人生のどの時期にあるかによって、どれかの体液の病が生じる危険性が大になる
- ルンは老年・・・老人や病弱な者はルンが優勢
- ティーパは壮年・・・壮年期は元気で積極的になるのでティーパが優勢になる
- ペーケンは幼年・・・幼年期は肉体的にひ弱なためペーケンが優勢に
- 地域にまつわる3つ・・・人の住む地域の気候が特定の体液を増やす
- 寒冷地に住む人は、冷たい風により、体内のルンが増大する
- 乾燥(した暑い)地に住む人は、体内のティーパが増大する
- 湿地に住む人の体内は、ペーケンが増大する
- 病の発生の季節と時間
- ルン病は一日の中では、夜明けと午後早くに悪化する、ルン病は季節では夏(モンスーン)の時期に発生する
- ティーパ病は一日では真昼と夜半に悪化する、ティーパ病は季節では秋に発生する
- ペーケン病は一日のうちでは朝早くと夕刻に悪化する(現れる)、ペーケン病は季節では春に発生する

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