最後のありがとう・介護の話

ヒーラーの日常

こんにちは、ヒーラーのHidekoです。介護士歴14年ほどの私が、心に残るありがとうの言葉です。

『最後のありがとう』

・・・・・デイサービスに通っているかずさん(仮名)。身体が小さくって、面白いこともおっしゃる、誰からも好かれているとってもかわいい方である。そのかずさんが、病気でしばらく入院していた。

2ヶ月ぶりで、デイに戻ってきた時には、酸素マスクをつけてだった。

状態ははっきりいって良くなかった。ナースも、あと数ヶ月かな。夏はこせないと思うよ。と言っていた。

久しぶりのデイサービス、入浴を私が担当した。

「こんなになっちゃって、頭ポカーンとたたいてやろう。」「みんなに迷惑かけて。」と自分で何度も言っていた。

「なーんも、迷惑でないよ。ちゃーんと話しできるもん。」と私。

日中は比較的お元気で過ごし、ご飯も、少しずつ食べることが出来たようだ。

さあ、今日は何事もなかったね、よかったといねという帰り際、

私を見つけて、

「今日は、お風呂ありがとう。ありがとうねえ。」とかずさん。

かずさんは分かっている。もう二度とこの言葉を私に言えないかも知れないことを。

「またね、待ってるよ。」

と言って、私はトイレに駆け込んだ。涙があふれた。

今まで、この「ありがとう」を、私はちゃんと聞いてきただろうか。

これ以上嬉しいことなどない、「ありがとう」の言葉。

他のことなどどうでもいいと思った。誰が何をしたなど、もうどうでも良くなった。

・・・・それからかずさんは、状態が落ちてきて、デイの利用は無くなった。

あの「ありがとう」は、私の宝物となった。

{7DF28BBC-1407-4B03-A66A-10B5FF3AD27A}

コメント

タイトルとURLをコピーしました